NO.8「北大ポプラ並木」

札幌の北海道大学構内にあるポプラ並木は、大学のシンボルだけでなく、北海道を代表する歴史的遺産でもある。明治36年(1903)、大学の前身旧札幌農学校の農場内に実習用に植えられたと言うから、樹齢100年を超える木もあり、平均樹齢5,60年、樹高30㍍前後のポプラ約50本が長さ250メートル、幅4.5㍍の農道を作っていた。が、平成16年(2004)の台風18号により、半数近くが倒壊した。大学では「北海道大学ポプラ並木再生支援」を全国に呼びかけ、支援金を募り、倒木を起したり、若木を植えて再生を目指した。ポプラは成長が早く、10〜20年後には、昔のように大地に雄雄しくそそり立つ牧歌的風景が再現される。近くには長さ300㍍の平成ポプラ並木も育ちつつあるが、元祖ポプラ並木の人気は今尚高い。今はまだ、櫛の歯が抜けたように見える並木を見るには、若葉が茂る初夏がいいと、大学では言っている。
とはいえ、北国がその魅力を一番発揮するのは冬であろう。余計なものを覆い隠し、一面の銀世界に凛とそびえ立つ並木は、幻想的でもある。赤い夕日を背に雪面に浮かび上がったシルエットと共に、決して倒れまいと、踏ん張り、空を見上げる誇り高いポプラの姿は、新天地に根ざそうと、自然と闘い続けた開拓者の静かだが強い姿が感じられるようだ。天を突くように真っ直ぐに伸びる雄大な姿は、北大建学の祖であるクラーク博士の「Boys,Be ambitious](青年よ大志を抱け」という言葉通り、今まで多くの有為な若者が、この並木に勇気づけられ、社会に巣立っていたことだろう。


☆雪原に 踏ん張る姿 雄雄しくも

☆2本に見ゆ ポプラは開拓民 の足かな