2010-01-01から1年間の記事一覧

NO.10「ジャージャー橋」

利根川の支流、千葉県香取市佐原を流れる小野川にかかる樋川橋は「ジャージャー橋」とも呼ばれている。江戸時代、この川をまたいで農業用水を通すため、大きな樋が造られた。その上に板を張り、「樋橋」が誕生したが、両側から水が噴出し滝のようになったと…

NO.9「亀甲墓」

沖縄には亀の甲羅の形をした墓が多い。『風景考』という新聞連載を担当したとき、最終回で人は最後は必ず墓に入るのだという視点でテーマを設定し、ロケーションのいい墓所はどこだろうと探した結果、たどり着いたのが日本最西端の与那国島でした。一年で一…

NO.8「北大ポプラ並木」

札幌の北海道大学構内にあるポプラ並木は、大学のシンボルだけでなく、北海道を代表する歴史的遺産でもある。明治36年(1903)、大学の前身旧札幌農学校の農場内に実習用に植えられたと言うから、樹齢100年を超える木もあり、平均樹齢5,60年、樹高30㍍前後の…

NO.7「蔵王の樹氷」

樹氷は東北地方の一部の亜高山地帯(八甲田山、八幡平、蔵王連峰など)でしか確認されず、海外でも余り見られないという。樹氷は、着氷と着雪の基になる過冷却水滴と雪が一定方向の強風で運ばれて、アオモリトドマツ(学名・オオシラビソ)などの常緑針葉樹…

NO.6 「ナイタースキー場」

最近はどこのスキー場も閑古鳥が鳴いているという。スキー人口も半減、新潟県では最盛期の三分の一に減り、どこのスキー場もスキーヤーを呼び戻すのに必死だ。かつては、週末ともなると都心からスキーバスが繰り出し、夜明け前から滑りたい客の希望に応じる…

NO.5「千曲川スケッチ」

自然主義文学の島崎藤村は「千曲川のスケッチ」で、信州の冬の厳しさを書いている。藤村は川船で飯山を訪れたが、今は川船はない。JR長野駅から飯山線に乗り換え、飯山駅で降りると猛吹雪で先が見えないほどだった。防寒着、手袋、帽子と寒さ対策の完全装…

NO.4「銀山温泉」

山形県尾花沢市の銀山温泉は、500年前から銀山で働く鉱夫たちが疲れを癒すために利用していた。今は湯治場としての役目を引き継ぎ、通年、宿泊客でにぎわう。銀山温泉の町並みは大正時代にタイムスリップしたかのような情緒を持つ13軒の宿が銀山川を挟んで建…

NO.3「オオヒシクイ」(福島潟)

冬の渡り鳥の飛来地は全国に散らばる。ここでは国の天然記念物でもあるオオヒシクイの日本一の越冬地・新潟市の福島潟を紹介する。オオヒシクイは雁の仲間で一番大きいので大雁とも呼ばれる。小林一茶が「今日からは日本の雁ぞ楽に寝よ」と詠んだように、日…

NO.2「知床と流氷」

世界遺産・知床半島の冬の魅力は流氷。ロシアのアムール川河口付近や樺太で出来た海氷が例年1月中旬頃に南下して、オホーツク沿岸に着き、やがて知床半島沿岸に到達する。2月から3月にかけて知床岬を回り根室海峡に入り、国後島との間を埋め尽くす。 知床の…

NO.1「かやぶきの里」

雪深い越後の新潟県柏崎市高柳町の「かやぶきの里」には、約20戸のかやぶき屋根の家が1.3㌶の田んぼの周りに、まるで防風林のように立ち並んでいる。環状集落とも呼ばれ、古い農家集落の原型を残し、今なお現役の貴重な遺産である。きれいな雪景色の集落を撮…