NO.2「知床と流氷」

世界遺産知床半島の冬の魅力は流氷。ロシアのアムール川河口付近や樺太で出来た海氷が例年1月中旬頃に南下して、オホーツク沿岸に着き、やがて知床半島沿岸に到達する。2月から3月にかけて知床岬を回り根室海峡に入り、国後島との間を埋め尽くす。
知床の春の訪れとも言われ、流氷と共にやってくるスケソウダラ漁が始まる。しかし、流氷は風の強さや向き、潮の干満などの自然条件次第で接岸したり離岸する気まぐれ坊やでもある。2006年2月半ば、流氷の「つぶやき」を聞こうと訪れたら、見事な流氷原をウォーキングする人やわずかに開いた海面から海に潜って楽しむダイバーたちが沢山いた。帰京翌日、北海道から届いたニュースは強い西風が吹き、流氷は全て離岸したという。この年は以後、一度も接岸することなく知床は春を迎えたが、流氷も地球温暖化の影響を間違いなく受けている。
流氷を見ようと思ったら、まず、小樽の第一管区海上保安部流氷情報センターが毎日流す「流氷情報」をチェックして出かけるといい。

☆流氷や 春の便りと カモメ啼く (根室海峡羅臼沖から)


☆ダイバーも 押し寄せる 流氷の海 (斜里町・ウトロで)

☆国後から 昇る朝日や 流氷染め (羅臼港から国後島を望む)

エゾシカや 流氷待ちわび 春を待つ