NO.3「オオヒシクイ」(福島潟)

冬の渡り鳥の飛来地は全国に散らばる。ここでは国の天然記念物でもあるオオヒシクイの日本一の越冬地・新潟市の福島潟を紹介する。オオヒシクイは雁の仲間で一番大きいので大雁とも呼ばれる。小林一茶が「今日からは日本の雁ぞ楽に寝よ」と詠んだように、日本人は雁行と共に雁を愛してきました。大雁は羽を広げると160㎝にもなり体重は4.2〜5.8kgもある。
福島潟はヨシ原が多く、ヒシやマコモなどの好物も多く、周辺が田んぼでオオヒシクイには贅沢な環境になっている。2001年には5700羽飛来、年々増え今では1万羽近いという。春になると、北海道のサロベツ原野から樺太方面まで2400㎞以上の大旅行をする。
氷点下の早朝、餌場を探しに飛び立つシーンを撮ろうと観察施設「雁晴れ舎」でカメラを構えた。夜明けと共に、一斉にグワワンと鳴きながら飛び立つ様は生々しく勇壮な光景だった。夕方になると一列の大編隊を組み、グループごとに次から次に帰ってきた。

☆氷割り ねぐら飛び立つ 飛行隊

☆雁行や 夕焼け空に 真一文字

☆白鳥も 大雁も 仲むつまじく